2018年のlol esportsで気になった話題を振り返る

年の瀬も31日になり大晦日ですが、メモがてらlol esportsで気になったニュースを少しだけ確認しておきます。

NA LCSのフランチャイズ化

動きとしては昨年から、引いてはもう少し前の2016年あたりからですが、RiotとLCSチームオーナーとの対立がありました。
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それによりRiotチームオーナー間で交渉が進み、NA LCSはフランチャイズ制度とする事となりました。いくつかのチームは残り、いくつかのチームは事実上オーナーの入れ替えとともに、選手の移籍が行われ、10チームが決まりました

結果としてはNA初のフランチャイズ制度であったものの、無事シーズンは終了し、来シーズンも開催される見通しです。競技シーンへのスポンサー参入もあり、選手ベースでの契約も行われるようになったことから、環境整備は整ったということなのかもしれません。

一方で、懸念がないわけでもなく、今回のフランチャイズ制度導入のきっかけにもなった大きな資本供給源のBAMTechとの提携が決裂し、ESPN+での放送提携にとどまる(背景としてはESPNを有するDisneyによるBAMTechの株式取得がありますが、経緯は省略)という話があります。
Two Riot Games sources said the new ESPN+ will replace the previous deal between BAMTech and Riot Games, which was a seven-year agreement beginning in Dec. 2016 in which BAMTech agreed to pay Riot $300 million through 2023.
シーンに投入される額としては例のない非常に高額な提携であり、直接資金を受け取るRiotやチームオーナーにとっても、視聴用アプリ開発を明言していたファンにとっても魅力のあった契約であったことから、契約の中断はかなりの痛手になっているのではないかと考えられます。現在は見境なく投資がされるesportsシーンですが、このビッグニュースは大手スポンサーの撤退と捉えかねられず、バブルの崩壊さえ予想させてしまう関心度の高い話題だと思います。

そのため、Riotはスポンサーを徐々に探すようになったようですが、とはいえそれでも不十分という声も聞こえており、今後ロングスパンで見据えてみるとまだまだ手を入れるべき箇所はあるのかもしれません。
Several sources in the sponsorship industry said Activision Blizzard’s Database Link Overwatch League has been more aggressive in pursuing partnership deals at the upper tier of American esports. Overwatch has signed OMEN by HP, Intel, Toyota, T-Mobile and Sour Patch Kids since its launch.

大手スポンサーのアナウンスといえば、今年のWCSはMasterCardがスポンサーになっていました。
Riot Games and Mastercard are preparing to announce a major global sponsorship centered around "League of Legends" esports, sources said, with one calling it the "biggest deal Riot has ever done."
ストリーミング中にCMが流れたりしていましたね。スポンサーの強化や放送時の連携などは今後も検討の余地があるのではないかと思いますが、ひとまず1シーズン終えられたことに安心しましょう。

更に長期的な競技スポーツとしてみると、以前から指摘されていたIPをRiotが持っている問題についてもまだ懸念があることになります。
最後にガーファット氏は、「基本的に、従来スポーツのチームはいいパートナーです。ただし、彼らはゲームの所有権は持っていません。アメリカンフットボールとの違いは、アメリカンフットボールの所有権は誰も持っていないところです。だからこそ、彼らをフェアに扱うことが重要になるのです。自分のタイトルに彼らを招き入れたいのなら、この部分が重要になるのは間違いありません」とコメントし、講演を締めくくった。

ちなみにNAに次いでトルコフランチャイズモデルの導入が決定しています。
Turkey is the latest League of Legends Database-Link-e1521645463907 region to go the direction of a franchised sports league. Starting with its 2019 season, the Turkey Champions League (TCL) will remove relegation/promotion in favor of a permanent partnership structure, leaving room for academy teams to help ensure longevity for the Turkish LOL scene.
トルコリーグに関してはNAと異なる部分もあるそうですが、スポンサーが参入しやすくする意味合いは共通しているようです。

成長するNA LCS

フランチャイズ化によりチーム消滅の懸念がなくなったことからも、NA LCSチームへの投資が相次ぎました。特にC9は”今年のesportsチーム“にも選ばれるくらいの成功を遂げています。
That family business just scored another big win this year, as Cloud9 announced Monday it received $50 million in Series B funding.

このように各チーム組織としてもうまく回ってきている状況ではありますが、こういった加熱した評価過大評価状態を少し見直そうという動きもあるようです。
Esports insiders are increasingly convinced that many team organizations are overvalued and a market correction is coming.
単純に市場が急拡大したことから、参加組織の評価がやや上振れしている状態とのこと。決して市場が後退することを予見しているというわけではなく、上振れ過大評価分の補正が近いうちに入る可能性を示唆しています。

ジェンダー

Riotの女性差別問題が浮き彫りになった年でもありました。Kotakuによる女性社員へのインタビューの結果、Riotのスタジオ内で女性社員へのハラスメントが蔓延していることが明らかになりました。
Earlier this month, Kotaku spoke with 28 current and former Riot employees, many of whom alleged that Riot games’ so-called “bro culture,” which several described as “cultish,” inspires and, in some instances, rewards sexist behavior.
これらの報道をうけてRiotがポリシーを投稿しており、環境改善のために尽力することを表明しています。
We will weave this change into our cultural DNA and leave no room for sexism or misogyny.
Riotに限らずゲーム業界全体でも女性差別に対する意識は高まっており、色々な報道がなされるようになりました。

北米における女性配信者は男性に比べて収入が少ない
According to the survey conducted on PayPal's behalf by Superdata, globally, 38% of men who stream are not paid for it, compared to 43% of women. The gap is larger in the United States, where 24% of men and 47% of women are not paid.
英国では女性ゲーマーの多くがハラスメントの経験を訴えている
Those views on the industry are also very likely colored by participants' personal experiences gaming. 33% of those surveyed reported experiencing abuse or discrimination from male gamers, whether that be while playing online, in-person, or through some other contact.
各esportsメジャータイトルでは女性選手のみの大会やコミュニティがあったりしますが、こういった報道を見てしまうと男性中心のesportsシーン参加、ゲーミングチームに参加するまではまだ時間がかかる可能性もありそうです.ジェンダーについては世界中で取り上げられていることから、ゲームがboy's clubにならないようにしていきたいですね。

競技シーンを見据えた環境整備

今年の WCS優勝を飾った中国にてesports観戦専用施設が建設されるというもの。
https://esportsobserver.com/an-exclusive-esports-space/
潤いに潤っている中国において世界初のesports専用スタジアムが建設されることになった話が今年初頭にありました。プレイヤー人口ベースでも、消費額ベースでも世界をリードしている中国市場だけに、建設の意味はあるのかと思います。成長を続けるesports市場において約2万人を収納できるスタジアムの成功が、今後の世界での動向にも繋がる可能性があるだけに気になるところです。2022年にはアジア競技大会が中国で開催され、その中で”video game”がメダル競技になる事が決まっていますので、それを見越しての話もあろうかと思います。esportsをあまり知らない層がこのスタジアムで行われている競技の様子を見たときにどのような反応をするのかが、鍵になってきそうです。

国内でesports関連の統一団体ができたものの、認定ゲームに少し疑問が

国内に複数あったesports関連団体が統一されJeSUとなりましたが、選手に発行されるプロライセンスの対象ゲームが非常に国内寄りでどうなのという感じもしています。OVERWATCHCS:GOといったタイトルは国内で大々的な大会もそうそうないので対象から外れてしまうのも納得はいくのですが、LJLも検討しているLoLが未だに対象ではないのは少し疑問に思ってしまうわけです。国内ではPGMにおける外国人選手に対する恫喝問題があっただけに、団体による選手の監督・チームの監視が急がれるのではないかとも考えています。国内のプレイ人口は多いわけではないものの、esports市場を担うタイトルだけに、ライセンス発行の意味は大きいのではないでしょうか。

結構動いた2018年 

こうしてみてみると結構動きがあったなというイメージです。課題が出てきた2017年までに比べると、地盤づくりで地味な雰囲気もありますが、NAのフランチャイズ化が成功するかは今後のesports市場にも関わる重要な話なので、今後も注目していきたいところです。

一方で新しくスタートするEU LCSも気になるところで、他リージョンへのRiotの対応も気になるところです。

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