Cyberpunk 2077をひとしきり遊んだのでレビューとか感想とか,育て方とか.なかなか近年類を見ない大荒れのリリースとなりましたが,果たして...
【軽めのネタバレあります】
12月の年末師走の時期に発売されたCyberpunk 2077.バグが酷いとか最適化されてないとかでMSやらSONYすら販売を取り下げてしまう,という結構な炎上が収まらなない状態ですが,私のPCスペック的にPC版はギリギリ遊べたので,購入して年末からシコシコと遊んでいました.
結論から言ってしまえば,バグだらけとか細部の作り込みがGTAに劣るとか色々言われているけれど,神ゲーだったなという感想.シューティングで”骨太なストーリー”,”めっちゃいい世界観”,”キャラクターの個性的な育成”という三拍子をちゃんと揃えてきているオープンワールドFPSRPGのようなジャンルってそこまで記憶がなく,それこそGTA,セインツとかボーダーランズくらいじゃないかなといったところ.多少のバグに目を瞑れるのなら,全く問題なく楽しめると思います.
ストーリー
結果的に100時間ちょっと遊んでいたよう. |
シングルプレイのRPGとして,サイドクエストをやったりしながら100時間のプレイというのは十分遊べたかなと思っています.一日3時間位コツコツ遊んだとしても1ヶ月位かかるわけで,最近のゲームの感覚からすると,かなりしっかり遊んだなという感想です.しばしば対比に挙げられるウィッチャー3に比べると,ストーリーは物足りないという声も聞かれますが,そちらは未着手なのであえてコメントはできないです.
単純にこのゲームを遊んだだけの感想としては,バカでかい街を舞台に,よくこれだけのネタを散りばめたなという感じ.どこに行っても何かしらに出会え,エリアごとの特徴も上手く出ているので,まずはマップをも回るのも一興.ただ,Lv25くらいないと,敵が強すぎたりするので適宜スキャンすると良いかも?ストーリーの大筋としてはVなる主人公が,成り上がるためにデカイ仕事を無謀にも受けたら相棒は失うわ意識も乗っ取られかけるわでとんでもないことになってしまった.それをどうにかして戻そうとして奔走するというお話.
窓のないアラサカのビル. インデックスシリーズでも不気味さの象徴として描かれたりしますが,異質な雰囲気というのはとても出ていると思います. |
でかい仕事というのは作中でどちらかというと敵対するサイドとして描かれている,支配者側のメガコーポに喧嘩を売るというもの.基本的に軍事企業が支配する世界観の中で,圧倒的な支配力を誇るのがアラサカ.彼らに出会い,バトルを繰り広げていくことが本作の主軸.
とはいえ実際のところACT1の終盤まではアラサカとかそういった上層部の世界観はあんまり感じられなく,あくまでストリートの傭兵でごちゃごちゃやってる,全然世界がどうとか関係のない末端の存在なのです.ということでナイトシティでの生活にフォーカスしたのがACT1.その間の行動圏も絞られていて,まずはチュートリアル的に生活をすることになります.その後に上手いことトランジションして,大物に目をつけられてと,徐々に話が広がっていく話作りは上手くできているな~と感じます.
ゲームにおけるACT1,第一章で相棒になるジャッキー.なんだかんだで一番Vに影響を与えたと思うのだけれどやや影が薄い気もしていて,死んでしまう流れは本当に必要だったのかしらという気もする.もちろんジョニーのチップを貰わないと話が進まないのだけれど.情熱的なキャラクターで,何回かチェックポイントからロードを繰り返しながら救おうとしたのはいい思い出.アフターライフの伝説,メジャーデビューするという夢はジャッキーのものでもあって,すべてがVだけのものじゃないというのも感動的.
ACT2のメインキャラの一人であるパナム.彼女のストーリーはすべてやらないとエンディングにも影響してくるということから,結構重要な位置にいると考えています.Vの出身を選択するとACT1の構成が少し変わるようですが,主要キャラクターに彼女が居るとすると出身をノーマッドにするのもありかなとは思います.結果的に彼女はノーマッドを率いることになるのだが,その紆余曲折も,ゲーム内時間で結構かかりますがじっくりと心境が描かれていてアツイ話になっています.
ACT2がこのゲームにおけるコアであって,ナイトシティでの生活を知った上でコーポとの闘いに挑んでいくというパート.この段階で大方マップの各所に行けるようになっており,ないものはお金という状況だったかと.時間の進みはややゆっくりとしているので,サイドミッションをこなしながらお金を稼いで,メインミッションの時間を進めるのもいいでしょうし,スキップ機能を使うのもあり.
デラマンはお気に入りのキャラクターで,ACT1〜ACT2に移行するカオスにおいて,いい味を出していました.ジャッキーを失って,自分も死にかけていることが分かり,正直Vもプレーヤーも落ち着いていられない状況で,不思議AIの登場は一旦心の平穏というか,テンポを取り戻すのに重要な役割を買ってくれます.行動圏が広まってからすぐに関わるということで,いくつか仕組まれたMAPを巡る仕掛けでもあります.世界観としてAIというかサイバー空間の存在は後半まで強く描かれないのですが,生活に高度なAIが入り込んでいるということが分かるようになっています.
中盤から終盤にかけて各地に協力者を探しに各地を回ることになりますが,海沿いでは再開発が進んでいたりしてコーポの支配が広まっていることがわかる訳です.ビルが壊れたりしているのも実はミッション中リアルタイムに壊れたりして,それはもうPS4とかでは描画しきれないのだろう,最適化しきれないのだろうという気もしたりします.これだけのディーテールをちゃんと描くには時間がかかったのだろうと思いますが,逆にそれをコンシューマーゲーム機に届けれられていないのはとても勿体ないなと感じます.ちゃんとした形でPS4にも配信されることを願うばかりです.
ACT1からヴィクターは重要な局面で助けてくれる存在で(ちゃんとお金は払ったほうがいいですが),若干のツンデレながらもVを心配してくれる数少ない友人な訳です.エンドロールで彼が登場するシーンがありますが,彼なりの感情表現は見ているこちらとしても,ほっこりするものがあります.ローテーションによるのでしょうけれど,使い勝手のいいインプラントを売ってくれるということで度々お世話になる存在でもあります.
クリア後,自室にて.若干哀愁漂う. |
ACT3はエンディング分岐のために用意された章で,自分を取り戻すための戦いに決着をつけることになります.ミッション開始時にもエンディングが近く,分岐があることが明示されたアラートも出るので,準備不足を感じるのなら後戻りすることも可能.実際にはエンディングの選択肢を増やすためにはパナムのジョブやジョニーとの会話などが必要で,何も進めていない場合そんなに分岐するストーリーはないのですが,そのエンディングは後味が良くないです.ということで,エンディングまでの過程が大事というテンポで,ACT3そのものはすぐに終わりますが,なんだかんだでいくつかエンディングを見ていると結構時間がかかるかと思います.
育て方とか,小ネタとか
ということでストーリーを一通り遊び終えての感想は上のような感じですが,ついでにキャラクターをどんな感じで育てたかと,率直なFPSとしての感想とか気になった所だけ書いておきます.詳細は攻略サイトにお任せします.
序盤の武器選び,はまず上のスクリーンショットにあるスキッピーを獲得したらいいと思います.初心者救済というか序盤金策とか武器拾いが苦しい時の助けになるハンドガン.無理にアップグレードしていく必要のない武器,というのは大きなアドバンテージで,しゃべってきたりして武器としても独特なので,返却ルートに入らないよう注意しながら獲得すべし.中盤以降は他にも選択肢が出てくると思うけれど,それでもスマート・クリティカルビルドとかにしておけば,弾をそこそこのレートでばら撒けるので長く使えるのは間違いない.
武器表示がバグってるというのはともかく,私はリバーとのロマンスルートに入ったこともあって,オーバーチュアのアイコニックを最後まで使っていました.今作のリボルバーは単発がちゃんと超高威力なので,当てれば一発で強いというのもロマンがあっていいなと思いつつ.ただ,高レートの武器は何かしら持っていた方がよく,私はサラトガのアイコニックを序盤で入手したので更新しながらばら撒いていたりもしました.高レートのものをクリティカル仕様にしていくとめっちゃダメージ出て結構楽しいですよ.
ただ,武器はプレイスタイルにもよるし,拾ったもので使い勝手が合いそうならそれを使えばいいだろうし,という感じで正直これというのはないです.強いていえばスマート武器はaimが楽というくらい.
車は色々と買って乗ったりしましたが,結局シオン”COYOTE”でいいんじゃないかと.
若干高額ですが,コツコツお金を貯めていれば走破性も高く,安定したグリップ,速度や加速もトップクラス,ということでこいつ一台あれば十分に感じました.Youtubeとかの動画でも乗っている人多いですしね.
育成は個人的には二方向かなと.肉体か,知力か.肉体はどちらかというとステルスしつつ,いざとなったら銃やら刀でドンパチする方法.知力はどちらかというと,サイバーパンクの世界観ならではのハッキングでFPSとしてのプレイを放棄する方法.このゲームにおけるクエストの攻略方法は複数パターンありますが,どういったルートを取るにしてもどこかで技術か肉体ポイントによって解決できるシーンというのがあります.なので,どちらかは上げておきたい,が装備のクラフトという観点で技術力は避けて通れない能力値となっています.なので,どちらの場合でも技術をある程度高めておく必要はあるかと感じました.序盤から6〜8くらいは振っておくといいと思います.
私は尖ったプレイスタイルが好きなのでハッキング極振りで,意志も20にしてしまっていますが,これに深い意味はありません.7〜9あれば十分だったと後悔しています(因みに振り直しはお金をかけて可能なので,その点は取り返しがつくのでご安心を).
ハッキングに重きを置いたプレイスタイルの場合,ジョブなどの攻略開始時の行動としてはブリーチプロトコル→クイックハックとなると思います.なので,ブリーチプロトコルを強化していきます.特に耐性ダウンのデーモンがあるので,そこら辺をとりつつ,後のクイックハックが強化されるものを重点的にとっていくといいと思います.
クイックハックは全てとりました.レジェンダリーのチップは非常に強力なので,ポイントとレベルの様子を見ながら早々に取っておくと攻略が楽になるかと.全体としてはRAM,クールダウン,その他という順番.色々と非殺傷のニーズは高いので,一通りとり終わったら伝染数UPとかをアップグレードすると化学汚染が強化されてgood.
攻略の例.まずブリーチプロトコルで必要デーモンをアップロードしたら,適当に見えている敵にPINGを打って敵の位置を把握.ブリーチプロトコルのスキル強化項目に,必要なクイックハックRAM容量減少というものがあるため,それを取っておけば大方のジョブに出現する敵に必要なクイックハックの容量は1〜3くらいになります.そこそこのRAM容量のサイバーデッキと回復速度になれば見えている敵にスパムできるようになるので,最初に打ったPINGで表示された敵を片っ端から無効化できるという.ジョブ開始したら一歩も動かないまま攻略もできるようになります.
本来オーバーヒート辺りを打ち込んでおけばいいところ,回路ショートにしていますが,耐性が少し下がっているということもあって1万ダメージ前後出ています(ノーマル難易度).これをPINGで見えてる敵に打ち込んで行けば,ジョブのエリアに踏み込む前から快適な探索環境を整えられるという訳.
レジェンダリーのチップはイカれたダメージ値なのでぜひ早々に作りましょう.部品は小まめにハッキングをしていれば貯まります.
という感じで,ハッキング振りをして遊んでいたという話.ジョブをやったりするとLV40くらいまでは上げられ,道中のオープンワールド系のお助けをこなしていれば,上限まで上げるのはそんなに苦労しないと思います.
実際バグどうなの
最後に各所で話題になるバグのお話.(遊んでいたのは1.03から1.06が中心です)遊んでいた感想としては”結構遭遇する”という印象です.道ゆく人が腕を上げてTの字を作るといった不可思議なモーションのバグは有名かと思いますが,冗談とか誇張ではなく多いです.
本当にバグに関しては色々なところで遭遇すると思います.上のSSはインゲームのメッセージ画面ですが,会話がチグハグだと思います.右側のVの返信の位置がおかしいです.
割と重要な局面での描画バグ.もうちょっと長めのローブなんだろうと想像しています.という感じで細々と目につくバグというのは見かけるため,残念だな〜と思うことも少なくはないです.ゲームの進行に係ることもあり,イライラすることはどうしてもでてきてしまいます.バージョンアップで徐々に改善されていると聞きますが,絶望するレベルであちこちにバグがあるので,大方片付いたなと感じるには少し時間がかかるかもしれませんね.
まとめ
イントロでも書きましたが,ゲームとしては久々のオープンワールドのFPSかつRPGとしてとても楽しめる内容でした.キャラクター育成も多彩で,進め方も自由.それでいて作り込まれたMAPの雰囲気というのは他にない,まさに2020年代スタートのゲームに相応しい内容だったと思います.
エンディングについてはVの余命が短いという結末は変わりません.ここら辺はDLCなどでもう少しフィクションとして,明るい内容になってくれることを願いたいところではありますが,まず助かってよかった.
バグ対応やNPCの作り込みが激しく不足しているという点については,引き続きアップデートをするようですし,期待したいところです.最適化が済んだ後にレイトレーシング,4Kでサクサクと快適に遊びたいところです.
LG