beyerdynamic XELENTO REMOTEを入手したのでレビュー - 久々の高額イヤホンに涙を流す

オーディオ,楽しいですよね.

頭を揺さぶる低音,艶のある中音,抜けるような高音.

いろいろな機種を視聴していくと自分の好みというものが分かってきて,より一層オーディオ選びが楽しくなっていくというもの.

以前から私もちょっとばかしレビューを書いていたりします.

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とはいえ,ささやかなものです.
ヘッドホン,イヤホンを使ってきた中で今のところ行き着いたのがHD800GR10の組み合わせでした.結局SHURESONYの音作りではなく,sennheiserGRADO,(最近の)AKGに傾倒している感じですね.どちらかというと低音寄りのウォームなものが多い印象を自分でも受けています.

とはいえ最近無性に低音が欲しくなってきていて,メガネーな事もあってヘッドホンはなぁという感じ.ということでイヤホンを中心に探していました.個人的に低音というとsennheier IE800が出てきたのですが,視聴した感じそこまで良さは感じず.音場はたしかに広いと思ったのですが,期待していた雰囲気とは少し違っていました.一方で今回購入したbeyerdynamic XELENTO REMOTEがずばり欲しかった音の感じに近かったので,購入することに.
米屋の製品はDT880以来ですね.音作りは良かったのですが,側圧が気になったので結局手放してしまいましたが.
価格は10万円前後です.今回は並行輸入品を入手.保証が気になるところではありますが,一応代理店が1年間は面倒を見てくれるのでそれでもいいかなと.

パッケージとか

何れにしても買ってきました.箱は厚めの専門書といった感じでかなり分厚く,重厚感があります.しっかりとした造りですね.
ハイレゾマークもしっかり付いています.さり気なくコンプライのチップも入っていることが書かれています.
AN AUDIBLE PIECE OF JEWELLERY,音の出る宝石?まぁ実物を見るとそう言いたくなるのも分からなくないですね.パッケージからも本機がSHURE刺し推奨だということが分かります.
よく考えるとcustom IEMが主流のポータブルオーディオで,Ergonomicって謳う必要があんまりないですよね.customな時点でその人にあった形をしている究極のErgonomicな訳ですし.それはさておき,本機もエルゴノミクスに気を使ったデザインとのこと.イヤーチップが主なそれかなと思います.
外箱を開けると...XELENTO焦らしもExcellent
ドキドキ...
ということで本体とご対面.付属品の多さに驚かされます.
これは宝石ピカピカと輝く本当に美しい本体ですが,持ってみると意外と軽く,装着には悪さをしないようになっています.逆にこまめなクリーニングを欠かせないという点で気を使いそうですね.
付属品はイヤーチップ各種,リモコン無しケーブル,ケーブルクリップ,携帯用保護ケース,リモコン付ケーブル,クイックスタートガイドとなります.イヤーチップが実に多く,最小から最大まで倍くらいは大きさが違い,その中で細かくサイズ分けされています.ケーブルタイには
Please select correct size of eartips for perfect fit and bass response.
と書かれていて,装着感低音のレスポンスのために自分に合ったイヤーチップを選定してほしい事が書かれています.だからこそのこのサイズ数
ケーブルクリップも質が違いますね.輝いています.
レザー製のキャリングケースは少しかさばっている印象ですが,運ぶものを考えると余裕を持った作りのほうが負荷がかからなくて良さそうです.
キャリングケース中にはリモコン付きケーブル予備のフィルター,除湿剤が入っています.箱はがっしりとした作りなので,過酷めなカバンの中でも浸水しない限りでは問題なさそうです.

聴いた感じ - インプレッション

いつもどおりホワイトノイズ200時間バーンイン.チップは一番良く低音が聞こえた,Lサイズで.XLでも良かったのですが,より耳奥に入ることで分解能が増したように感じます.箱出しでえらく良くなっていたので,あんまり違いがないのかもと思っていたのですが,いい意味で期待を裏切られ低音はより力強くタイトに,そして高音も結構伸びるようになったと思います.
装着感ですが,もともとSHURE刺しが嫌いだった中で,まぁこれはこれで許容内かなといったところです.シリコンチップが一役買っている印象を受けます.ガッチリと引っかかっているような感じ.

オーケストラとか

このイヤホンは低音ホンに分類されていることが多いと思うのですが,まさにその通りで曲によっては10Hz~30Hz,40Hzとかの低音に頭を揺さぶられるような感覚に陥ることもしばしば.一方で,高音も綺麗に鳴っていて,金物も刺さることなく解像度良く出力されます.ということで大編成のオーケストラなんかは音場の広さも相まって非常に気持ちよく聴けます.芯の強さと弾力を両立した弦楽器のバス勢は素晴らしく,一方で中高音の艶のある伸びの良いバイオリンは今まで聞いてきたオーディオの中では初なような気がします.一方で中域の管楽器も負けず劣らず,低音に埋もれることなく聴こえてきます.このそこそこ低音が出ていながら,バランスの良い感じは(後期lotの)HD800に近い感じを受けます.

ロックとか

ハードロックであれ,メタルであれ,なんであれロックを聴くという上でギターの粗さが一つ指標になるとすれば,それはGR10に一歩及んでいないと思います.粗さがない訳ではなく,粗い方だとは思うのですが,音源をそのまま出力しているという感じ.とはいえ高音の美しさも相まって,大抵のギターソロはcoolに鳴ってくれます.また,低音のアタック感やベースサウンドを考慮すると全体ではかなり気持ちよく聴けます.そういう意味でライブ音源なんかも密閉なりの篭り感はあるものの(録音次第か),迫力を伴って聴けます.何を聴いても物足りなさというのはないです

一方で,ボーカルを全面に押し出した聴き方をしたい場合,少し遠くで鳴っているのが気になる人もいるかも知れません.それが音源として意図されたものなのかは兎も角,全体的に遠目で鳴っているので,購入を検討する場合は視聴で確認が必要かと.

アニソンとか

よく議論になっていることではありますが,アニソンのジャンルが広すぎる問題.人によりけりだとは思いますが,仮に打ち込みベースの音源にボーカルを付随するものとします.そういった音源でも個人的には合っていると思っていて,曲そのものと歌を両方楽しめます.インストの話をするとすれば,低音のベースのアタック感,中高音の解像度は曲を楽しむ方向に働いてくれていますし,艶がありながら刺さらないボーカルも印象的です.こちらも若干遠く感じられるのが気になる場合もあるかと思いますが,全体のバランスを考えると悪くはないかなといったところ.

いつもの曲とともに

AC/DCBack in BlackStonesHonky Tonk Woman.粗さを気にした二曲ですが,どちらも綺麗な粗さ(?)になっている印象.一方でベースの迫力や解像度,高音の美しさからくるギターの全体の雰囲気は素晴らしく,ボーカルも伸びよく鳴ってくれます.

The WhoQueenを聴き込んだのですが,この2バンドはどの曲もマッチしますね.ギターの楽しさ,ドラム,ベースの喧しさも上手く表現してくれているものの,耳障りな感じもないので聴きやすいです.イヤホンによっては金物が刺さったり,ブーミーな低音に埋もれて何を聴いているのかわからなくなる音ですが,そういったことはないです.

Led Zeppelinは何故か物足りなく感じました.原因不明.

・ポップスではDavid Fosterのバラード.本人のピアノ,厚めのストリングス,毎回シコシコ叩いてるJhon Robinsonのドラム,アメリカンポップスなサックスなどなど,聴きどころが多いのを如何に分解してくれるかというところが肝ですが,どれも素晴らしいですね.音場が広いのも生きている感じ.

・ 個人的に面白かったのはレゲエ全般で,物凄い抜けの良さで一音一音が再生されるので,これぞというスネアのヌケ感を味わえます.

Workingの主題歌2曲はどちらも楽しく聞けます.音源の良さも感じられます.

アイマスメジャー曲をざっと聴いた感じ,どれも楽しく聴けます.声もはっきりと聞き分けられます.某井上拓氏によるゴリゴリのEDMHotel Moonside低音の迫力が圧倒的で,一聴の価値あり.打ち込み音源に結構合ってると思います.

・アイマス,もといデレマスからはshine!!shine!!好きなんですよね.ティンパニの沈む感じ,何某か金物が鳴っている感じ,イイです.是非ハイレゾ音源を手に入れてみて下さい.CDよりは遥かに改善されてますよ.

ガルパンサントラ劇場版が合っていますね.大編成を意識したのが音場感,高い解像度に合っています.

FF14紅蓮のリベレーターOST -  ストーリーを思い出すと曲を聴くどころの騒ぎではなくなってしまいますが,それはさておき.再生するのも苦労しますが,ゲームのサントラでもこだわって作っているだけあって音質はいいですね.ラールガーズリーチ:夜の静かに一音一音聴かせる曲から,ボーカル入りのラクシュミまで.紅蓮の曲が全般的に打楽器多めの骨太な曲が多いので,低音に強く,全域で煌めきのあるXelentoの出番といったところ.涙なしでは聴けない - 壊神の拳が届く場所/The Measure of His Reachも最高で,上手い人,下手な人が歌ってるのがはっきり分かるのもまた一興.アラミゴが開放されて本当に良かった.

まとめ

聴けば聴くほど新しい発見があって,演奏者が動いている様子が再現されるかのような錯覚に陥ります.非常に楽しいイヤホンで,XELENTO REMOTE思い切って買って正解でした.高かったですけど.とはいえ値段については購入にあたって読んだいくつかのレビューで,激しく共感したものがあったので引用します.
一方ダイナミックドライバー単発の場合、当時人気の頂点にあったゼンハイザーIE800ですら8万円台ということで、どのような技術革新や高級素材を投入したとしても、たかが一枚の振動板ドライバに、10万円もするようなコストをかける事はできるのか、という疑問がありました。

つまり、生半可なメーカーであったら、そもそも「どうやって」そこまで高価になってしまうほどの高性能イヤホンが造れるのか、というノウハウが不足しています。
高価なマルチBAに匹敵するパフォーマンスを秘めたダイナミック型イヤホンを設計製造するのは大変困難な作業だと思います。Xelentoは、ベイヤーダイナミックの名に恥じず、これほどのベテラン企業であってこそようやく実現できた傑作だということが、つくづく感じられました。
ダイナミックの第一人者的存在であるBeyerが,プライドをかけて作ったダイナミック一発のイヤホンということで,色々なものが凝縮されたイヤホンのように感じます.一方で強い味付けがないのは人によっては好みが出る部分かと思いますが,逆に言うと目立った欠点が全くなく,聴けない音楽がないというのは珍しいのではないでしょうか.

オールラウンドに使えるハイエンドイヤホンを探している方には少し高い投資になるものの,強くおすすめできる機種でした.

またスパイラルに陥りそうでドキドキしますね.

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