プロセッサーの進化は今後どうなっていってしまうのでしょうか...各社技術開発に力を入れているようですが,多くの場合スケジュールは大きく遅れているように見受けられます.デスクトップ向けプロセッサーはこのまま停滞してしまうということなのか...
ムーアの法則はもう有効でないとされる昨今ですが,既にCPUの絶対性能はそこまで向上しておらず,ムーアの法則を”拡大解釈”することで消費電力やIGPの性能で差別化を図っている状態です.CMOSにおける微細化の限界とされる,プロセスノード一桁台が見えてきたことも相まって,このまま変化しないような気すらします.
一方ライバルとなるAMDひいてはGrobalFoundriesですが,こちらはIBMと協力しつつ10nmは控えめにし(勝てないだけだと思いますが)7nmへ直接移行するのではという話も聞かれていますが,7nmに関しては実験室レベルでは成功しているもののスループットも低そう...ということで予定通り進むのかはまだまだ分からず...
そもそも14nm世代は4つもプロセスがある、というのがこの図からも明らかであるが、最初に投入された2013年のものは製品の製造に事実上失敗しており、次の2014年のものがBroadwell-Y/U向けに利用されたプロセスで、これがその後Broadwell-HやSkylakeなどに幅広く利用されることになった。
from ASCII
Intelの10nmプロセスに関してはこのままロードマップ通りに移行できるようですが,その後の7nmへは順調に移行できそうというわけでもないとのこと.これまで2年おきに進めてきたプロセスの微細化ですが,10nmへの対応遅れから14nm世代を3年持たせるProcess-Architecture-Optimization戦略を取ることにしていますが,14nm内でも第四世代目を用意している現状を踏まえるとその後の10nmでも同じ現象になる可能性も高そうです.This would mean that Intel is expected to go into manufacturing on its first 10-nanometer products during the second half of 2017. This should become available in January 2018. Chipzilla wants three waves of 10-nanometer technology: 10-nanometer, 10-nanometer+, and 10-nanometer++. So this means that the first 10-nanometer++ products will arrive in January 2020.
from fudzilla
実際のところIDF16のスライドでも10nmのプロセスには4段階存在していることが示されていますが,そのことにより当初2020年頃を予定してた7nmへの移行は遅れることが予想されています.このまま行くと2017年後半に10nmの生産が開始,続いて2018年に最初の10nmのプロセッサーが出回り(その裏で14nm++のCoffe Lakeも),2019年,2020年にはそれぞれ10nm+,10nm++の製品が出回ることになります.そのまま2020年中に7nmプロセス製品の生産が開始できれば2021年に移行できる事にはなります.
しかしながら7nm開発に関しては
The India Lab specifically, in collaboration with MRL-US and Intel product architecture teams world-wide, will spearhead the research and advanced development of Microprocessor Cores in the 2022 and beyond timeframe. By conceiving of and prototyping radical approaches, the Lab will aim to deliver much greater CPU power and area efficiency while still delivering industry-leading performance. The microarchitecture and design of these advanced CPUs will be aggressively co-optimized with Intel's sub-10nm technology nodes deep into the next decade.
from Intel
このように書かれており,2022年に動きがあるようにみえます.2021年から一年のインターバルを開けて2022年に7nmのプロセッサーをリリースするのか,2021年に”なんちゃって7nmプロセッサー”をリリースしつつ本命として2022年に7nm+をリリースするつもりなのか,はたまた既に7nmは目処が立っているので5nmに向けているのか,一体なんなのかははっきりとしたロードマップは見えてきません.とはいうものの,どうやら10nmを2021年頃までは引っ張っていきそう,そして7nm以降も遅れていそうという雰囲気はあるので,少し残念ではありますね.
一方ライバルとなるAMDひいてはGrobalFoundriesですが,こちらはIBMと協力しつつ10nmは控えめにし(勝てないだけだと思いますが)7nmへ直接移行するのではという話も聞かれていますが,7nmに関しては実験室レベルでは成功しているもののスループットも低そう...ということで予定通り進むのかはまだまだ分からず...
Establishes a comprehensive framework for technology collaboration between AMD and GF for the 7nm technology node, building on the success of the 14nm node.
from TechPowerUP
TSMCは次期iPhoneのプロセッサーに向けて既に10nmプロセス製造のための設備投資を相当行っているらしいとの噂ですが,こちらもその後の7nm,5nmプロセスに関してもある程度の目処は立っているそうです.Moving forward, TSMC expects to ramp up production of 7nm chips in the first quarter of 2018, Wang said. TSMC is confident the PPA (power, performance and area) on its 7nm process technology will outperform rivals', Wang added.
In addition, TSMC has been engaged in R&D for 5nm process technology, and will be ready to use extreme ultraviolet (EUV) lithography to make 5nm chips, Wang said. Risk production is expected to complete in the first half of 2019, Wang indicated.
from DIGITIMES
Extreme UltraViolet (EUV) - 極端紫外線リソグラフィを利用するとのことですが,GF同様未だにブレイクスルーがなされていないような気もしますので,本当にこのスケジュール通り進んでいくのか,少し気になるところではあります.EUVでこのまま進んでいっていいものか...何れにしても理論的な限界である5nmですのでその頃に技術革新が起こっていることを望むばかりですね.