2017年のモニター事情を探っていきたいと思います.144Hzの超絶ヌルヌル感から更に向上した240Hzのモデルも出てくるようですが,果たして差は実感できるのか.今後のゲーミングモニターの方向性がブレてきた時代になってきたのかもしれません.
2016年はゲーマー的なハードウェアとしてはVRが元年を迎え各製品が発売となりました.どれもこれから?なのか,それとも…なのかは兎も角として,今後もウォッチしていきたいと思います.ARも着実に動きつつあるので,そちらも気になるところです.
多少見辛さや描画に難があるものの応答速度の問題からTNパネルしか選べなかった状況に比べると,絵の美しさを選ぶことができるようになったのは大きな変化といえるのではないでしょうか.対応するパネルの量産が昨年の明け頃でしたから,そこから一年半ほど経過したことになります.その頃から”OC”モデルのモニターというものを多く目にするようになり(モニターのOCそのものは割と昔から行われていましたが),144Hzを超えるリフレッシュレートのモデルも少なからず見かけるようになりました.
また昨年からのトレンドとして4K解像度があり,TV分野ではそちらの製品開発が積極的に行われています.そういった動きをうけたCES2016でのディスプレイ関連については別途まとめていますので,興味があればご確認ください.
いずれの場合にしても,GPUのパフォーマンスが大幅に向上し,4K Readyになってきた以上,パネルメーカーはそれらのパワーを持て余さないような開発を行う必要があり,それに応じねばならないというわけです.高解像度化するのか,高リフレッシュレート化するのかはメーカーによる部分もありますが,そんな中で大手パネルメーカーであるAUOとSamsung,LG Displayについて今後の動き,特に来年どういったものを作っていくのか,が少し見えてきたのでチェックしてみます.
今月はIFA 2016にあわせて各メーカーこぞって新製品を発表した状況となっています.珍妙な仕様の”イロモノ”から堅実な”手堅い”モデルまで色々と見受けられ,今年の後半から来年も飽きない年となりそうではあります.基本的には今回はパネルを中心としてみていきたいと思いますが,対応した(していると思われる)製品が発表されているのならばそちらにも触れておきます.
パネル形式はVAになるとのことで,メインストリームがTNとIPSの現状,比較的珍しいモデルになりそうではあります(そもそも曲面モデルがニッチですが).WQHDでVA駆動な144Hz対応のパネルも用意しているそうなので,細々と作り続けていくのかもしれません.
既に生産が開始されているとのことで, 24inchモデルのCFG70が$399,27inchモデルで$499ドルとのこと.24インチのゲーミングモニターとしては値段という点からすると標準的という気もしますが,調節の幅が広そうな筐体のデザインや,接続の豊富さ,VESAマウント対応など一通りの機能を抑えていることを踏まえると,なかなかコストパフォーマンスの悪くない製品に見えます.
LEDが量子ドットとなっていることから,発色も良さそうですし明るいということからゲーミングモニタの描画という点では一歩抜きん出た性能になりそうです.曲面であるという点が気にならないのであれば多くの用途に使えそうなことから,今年から来年にかけてダークホース的に売れていくかもしれません.24インチモデルは10月発売予定となっています.
Source: TFT Central
- NVIDIA
さて,PCゲーミングの中核を担うモニターとしては,ASUSのMG279Q,PG279QなどIPSな144Hz動作するパネルを利用した,似たようなモニターが各社からリリースされるようになりました.多少見辛さや描画に難があるものの応答速度の問題からTNパネルしか選べなかった状況に比べると,絵の美しさを選ぶことができるようになったのは大きな変化といえるのではないでしょうか.対応するパネルの量産が昨年の明け頃でしたから,そこから一年半ほど経過したことになります.その頃から”OC”モデルのモニターというものを多く目にするようになり(モニターのOCそのものは割と昔から行われていましたが),144Hzを超えるリフレッシュレートのモデルも少なからず見かけるようになりました.
ASUS Gamingモニター 27型 ワイドディスプレイ ROG SWIFT ( フリッカーフリー / 応答速度4ms / 2,560×1,440 / G-SYNC / スリムベゼル / Displayport×1 HDMI×1 / 3年保証 ) PG279Q
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また昨年からのトレンドとして4K解像度があり,TV分野ではそちらの製品開発が積極的に行われています.そういった動きをうけたCES2016でのディスプレイ関連については別途まとめていますので,興味があればご確認ください.
いずれの場合にしても,GPUのパフォーマンスが大幅に向上し,4K Readyになってきた以上,パネルメーカーはそれらのパワーを持て余さないような開発を行う必要があり,それに応じねばならないというわけです.高解像度化するのか,高リフレッシュレート化するのかはメーカーによる部分もありますが,そんな中で大手パネルメーカーであるAUOとSamsung,LG Displayについて今後の動き,特に来年どういったものを作っていくのか,が少し見えてきたのでチェックしてみます.
今月はIFA 2016にあわせて各メーカーこぞって新製品を発表した状況となっています.珍妙な仕様の”イロモノ”から堅実な”手堅い”モデルまで色々と見受けられ,今年の後半から来年も飽きない年となりそうではあります.基本的には今回はパネルを中心としてみていきたいと思いますが,対応した(していると思われる)製品が発表されているのならばそちらにも触れておきます.
AU Optronics
AUOのラインナップからすると,これまで同様エントリーモデル向けのパネルからハイエンドモデルまで用意するようですが,ゲーマー的によさ気なパネルが多数リストされています.“240Hz”
既に生産開始されているとの噂ですが,注目なのがネイティブで240Hzに対応したM250HTN01.2及びM270HTN02.3でしょうか.最近ではOCモデルで200Hz対応のものを見かけたりしていましたが,倍速でもなくネイティブで240Hz駆動のものは世界初,ということで注目のモデルとなりそうです.搭載予定の機種はASUSのPG258QとAcer XB251HQTになります.今のところ目に見える形ではASUSのPG258Qがサンプル出品されているのみとなっています.The ASUS ROG Swift PG258Q gaming monitor is kind of… lackluster. It has a lot of the top-of-the-line specs, and its 240Hz refresh rate is impressive. But it’s not leaps and bounds better than its predecessors. It’s a bit better than the next best monitor. The previous model, the ASUS ROG Swift PG248Q is almost as good, and likely at a significantly lower price.
from monitor nerds
デモ展示機のレビューになりますが,PG248Qから60Hz分リフレッシュレートは向上しているものの,その差を体感できるには本当にハイエンドの環境を構築しなければならないということも含め,辛口の評価となっています.値段が高くなることは目に見えていますし,帯域の問題から接続もDP1.3以降に限られるなど,PG248Qとの明確な差別化が少ないとのこと.値段次第だとは思いますが,ゲーミングモニターも低価格化が進んでいますから,この価格帯で勝負するにはただ"240Hz"で動作するというだけでは評価につながらないということなのだと思います.
“ウルトラワイド”
モデルナンバーがM350QVR01.1となる21:9の35インチ曲面パネルもリストされています.解像度は3440x1440となり,100Hz及び200Hzのリフレッシュレート対応のモデルが用意されているそうで,こちらも既に生産が開始されているとのこと.似たようなモデルとしてAcerのZ35がありますが,どうやらその後継機,マイナーチェンジに向けて用意しているようです.
Acer ディスプレイ ゲーミング モニター Z35bmiphz 35インチ湾曲/Ultra Wide FHD解像度/4ms/G-Syncテクノロジー搭載/HDMI・Display port/Gaming
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“4K,5K”
AUOはこの解像度のモニターにも力を入れていくようで,4Kに関してモデルナンパーは不明ながら27インチ,32インチのIPSパネルかつ144Hz動作するものを用意しているようです.量産開始は今年11月とのことで,さらにモニタメーカーで採用モデルの生産にまた時間がかかることを考えると,まだ先のことにはなりそうではあります.また,5K解像度に関してはAdobe RGB対応モデルを先に用意しているそうですが,こちらは来年2月量産開始予定になっているとのこと.Samsung
サムスンやLGはどちらもゲーミングというよりは大手メーカーのOEM(DellやAppleなど)に向けて製品を作っていることや,家電のTVに力を入れている雰囲気はありますが,ゲーミング的に使えそうなものもないわけではなさそうです.“24インチ,27インチ”
Samsungのラインナップで多くは曲面ディスプレイとなりますが,その中でも最も小さいものとして24インチFullHDパネルがリストされています(LSM236HP02).60Hzバージョンと144Hzバージョンが用意されるそうです.24インチで1800R,27インチで1880Rとなると結構曲がっていることになりますが,それでも両端が見やすくなるのは悪くなさそうです.既に生産が開始されているとのことで, 24inchモデルのCFG70が$399,27inchモデルで$499ドルとのこと.24インチのゲーミングモニターとしては値段という点からすると標準的という気もしますが,調節の幅が広そうな筐体のデザインや,接続の豊富さ,VESAマウント対応など一通りの機能を抑えていることを踏まえると,なかなかコストパフォーマンスの悪くない製品に見えます.
LEDが量子ドットとなっていることから,発色も良さそうですし明るいということからゲーミングモニタの描画という点では一歩抜きん出た性能になりそうです.曲面であるという点が気にならないのであれば多くの用途に使えそうなことから,今年から来年にかけてダークホース的に売れていくかもしれません.24インチモデルは10月発売予定となっています.
“34インチ”
先ほどのCFG70に加え,34インチのパネル(LTM340YP03)も用意されているそうです.こちらも1800Rとなり相当曲がっているパネルになりますが,CFG791として搭載製品もリストされています.ただしリフレッシュレートが100Hzとなっており,ゲーミング的には大きすぎることからなかなか手は出しづらいかなといったところでしょうか.LG
LGはより奇抜なディスプレイがラインナップされています.どれも横広のパネルとなることから,少し扱いづらいかなという気もします.“34インチウルトラワイド”
上記でSamsungもこのサイズのパネルを生産しようとしているとしていますが,LGもほぼ同じ規格のものを用意している(LM340UW3)そうです.3440 x 1440という解像度ながらIPS,かつ144Hzのリフレッシュレートに対応しているとのことで,ゲーミング的なスペックとしては問題なさそうです.曲率半径は1900Rとして比較的曲がっているとはいえ,非常に幅広なのは間違いなく,頭を振らないといけない分取り回しが難しいだろうなという感じですね.こちらは来年の第1四半期に生産開始予定とのことで,実際にモニターとして市場でお目にかかれるのは来年の夏過ぎになってしまいそうです.“8K”
型番は不明ながら8KのIPSパネルも2017年第1四半期に生産予定になっており,ゲーミング的には非常な高解像度として注目できそうですね.FullHDに対して16倍の解像度となり,負荷も16倍とするといかなる環境で動作させればいいのかすら分からなくなってきますね(TITAN Xの3-wayとか).何れにしても4Kでも高いリフレッシュレートのモデルが見られるようになりそうな2017年ですから,次の世代の準備もできていることのアピールにはなりそうです.とはいえココらへんの解像度になってくると最早DP1.3の帯域ギリギリ?となりそうなので,まだ次世代を考えるにはいささか時期尚早,別の問題が出てきそうです.2017年は
2017年にこれらのパネルを使ったゲーミングモニターがリリースされるのか,それともお蔵入りしてしまうのかはまだ分かりませんが,既にメーカーから型番付きでモニターの情報が出ているものもあるので,来年はこうった尖った,ある意味で少し世代の進んだゲーミングモニターが話題となるのかもしれません.BenQやAsus,Acerといったメーカーにパネルを供給していたAUOは240Hzというゲーマー的には大注目のパネルを用意していますが,一部レビューでも見かけたように,”革新的”なパネルというものには至っていないような気がします.そういった点ではSamsungの量子ドットパネルがどう食い込んでくるのか気になるところではあります.Source: TFT Central