ソフトバンクによるARMの買収について

SoC設計大手のARMをネットワークインフラのSoftbankが買収するというお話.どちらもファブレスといえばそう見えなくもなく.数日前の話になりますが,今後も気になりますしちょっとだけまとめておきます.

大分未来の話で冗長で漠然とした記事.フワフワしてます.

Softbank,ARMを買う

製造担当のTSMCに関する話題は比較的目につきやすいものの,設計を担うARMの話は意外に少なく,また市場としてもARMの独壇場ということもあって,業界の動向を捉えづらい部分があるように感じていた中で飛び込んできたのが,今回の買収劇でした.言われてみればガンホーを手放したのも話題になっていましたし,資金調達を順調に進めていたのは間違いなかったということなのでしょうけれど,結構業種が離れているようにも感じるので意外性は高いのではないでしょうか.この手の会社に中国Tencentとか,ないわけでもないですが.

それにしてもARMって買えるものなのだなと感心してしまいました.

孫氏は「たかが3兆円」と表現しているのだが、そもそもARMが約322億ドルで買えてしまうことの方が驚きでもある。先日話題になったMicrosoftによるLinkedInの買収額が約262億ドルだったことを考えると、さて、どっちがお買い得だったのかという下衆の勘繰りをしてしまったりもする。
あくまで通信インフラに近いSoftbankが半導体の設計で利益を得ているARMを買ってどうするのだろうという点に疑問を感じてしまいますけれど,社長的にはIoTを進めていきたいということらしく.それで何か練っているものがあるのだろうというところまで分かりますが,果たしてどういう形でリリースしてくるのか...まぁ何もしないというのも手だと思いますが.

当初はARMを従来と同じように回すとしても、結局会社はオーナーのものだ。どこかのタイミングで、孫氏が完全な主導権を持つようになるだろう。その時、孫氏の立場は、Appleから製品を卸してもらう立場から、Appleに製品を卸す立場に180度変わることになる。
一応間にfabが絡んでいるとはいえ,事実上立場逆転しているのは面白いですよね.そういう意味ではなんでARMもSoftbankに買われるところで落ち着いたのかは謎な気もします.IoTとしてインターネットに接続する必要がある以上,そのインフラを抱えている会社のほうが仕掛けやすいのだろうと考えれば納得出来なくもないですが,具体的な方向性というのは分からないですね.

2040年を見据えているらしい

Based on SoftBank's own estimation, the number of IoT devices and robot products in use globally will reach 10 trillion units and 10 billion units, respectively, by 2040, making IoT the biggest paradigm shift in human history. Obviously, SoftBank views this as an opportunity that it cannot afford to miss.



2040年頃の世界人口が推定90億人と試算されていますが,そのなかで10兆のIoTデバイス,そして100億台のロボットが動いているとのこと.そしてその頃が人類史における大きな転換期になると考えているそうです.2040年には世界がどうなっているかなんて考えたこともないですが,人口の1000倍近いIoTデバイスが存在することになるというのは俄に信じがたいものの,デジタルデバイスが今以上に溢れかえっているのは間違いないというのは素人にも分かりますので,それに備えた買収ということなのでしょう.
TSMC believes that SoftBank's acquisition will positively affect TSMC's relationship with ARM.Earlier in 2016, ARM and TSMC announced a multi-year agreement to collaborate on a 7nm FinFET process technology which includes a design solution for future low-power, high-performance compute SoCs.


ARMとしては一番意識することの多いであろうファウンダリであるTSMCは今回の買収は連携関係には影響しないと発表しています.7nm FinFETの研究開発で協力していくことを先日発表しているばかりですし,目立った変化が起きるのはまだまだ先ということのようです.
The deal will also serve as a catalyst accelerating future acquisitions and mergers in the industry.
とはいえ,今回の一件によって半導体業界の構図に変化が生まれる可能性があるとのことで,今後統廃合が進むことがあるかもしれないそうです.

短期的なゲーマー目線で

このブログでも何度か取り上げていますが,VR元年の今年に目立って動いていないIT大手はAppleだけで,国内でもauなんかは大々的にアクションを起こしていることを考えると,あまり興味がないと見ることが出来なくもなく.
ではなぜ通信キャリアがVRに注目し、手がけていこうとするのか。KDDI 商品企画部長の松田浩路氏は、「体験の共有のひとつとして、VRがある。今はテキストや写真、動画だが、やがて空間そのものが(VRとして)送れるようになる」と、VRコンテンツがコミュニケーションに幅広く利用できるとする。


そうすると仕掛け得る分野としてはAR,AI,IoTなのかなという気がしますし,社長もそのように述べています.

他にもトピックは有るかもしれませんが,どちらかというとデバイス寄りなのはここら辺になってくるのではないでしょうか.ゲームに関わるIoTというとポケモンGOのリストバンドになりますが,こういったアイディアが増えてくればより新しい遊びが提供されてきそうではあります.ARとの組み合わせになりますが,VRと組み合わさってくることがなくもないかな,といったところ.IoTそのものがどちらかというとゲーマーを意識した概念ではないため,ライトコンテンツが多めになる予感はしますが,プロセッサーの高効率化,小型化が進めば,全く新しいデバイスが出て来る可能性もあります.

今更ウェアラブルバンドとして活量計をデザインしてリリースするとも思えないですし,そういう事業の会社でもない.何か別のアプリケーションを考えているのだとは思いますが,ARとIoTということを考えるとぱっと思い浮かぶのはGoogle Glassですね.
頓挫してからまた法人向けに動いているそうですが,一時期ほど話題性は高くないように見受けられます.水面下に潜っていってしまった感じ.とはいえポケモンGOにしてもIngressにしても,そしてMicrosoftもHoloLensを用意していてARに関しても着々と普及しつつある,ないしは普及させようというムードができつつあるようには感じます.
VRもARもそれぞれ仮想現実でいいのか,拡張現実でいいのかコトバの訳にも一悶着あるそうですが,何れにしても明らかなのは,この手の映像デバイスが今後溢れてきて,コンテンツも沢山出てくるだろうということです.そこにモバイル通信を使ってインターネットに接続したいニーズというのは必ずあって,嵩張るハードウェアをなんとか小型化しようとQualcommが新しいSnapdragonでの性能向上を努力している話もありますから,プロセッサーの設計メーカーと通信会社が入り込んでいく余地というのはありそう.
用意しているプロセッサをGoogleのサーバーで使いたがっているという話.モバイルOSの大半を担っているといえるAndroidを抱えていることを 考えると,別にサーバーだけでなくデスクトップの可能性もあり.Chromebookを足がかりにこちらもPC産業に入ってくるかもしれないですね.



そしてVRとARのハイブリッドを狙ったMR – MixedRealityの話もチラホラと見かけています.

HTC Vive発表会にてViveのMRシステムを体験してきました。実際に刀を持ったようなこの感覚、家庭で楽しめるようになる未来を少し早めにお伝えします。この日の発表会では、オンライン販売だけでなく店頭販売を実施することが明らかになりました。価格は10万7784円(税込)。
もうここまでになってくるとIoTと何も関係ない感じもしますが,MRは一般生活に落とし込みやすいということからもモバイルデバイスとの相性も悪く無いでしょうし,そういった意味では通信へのニーズも低くないのではないかなと考えています.SoftbankはAIへの取り組みも積極的ですし,どちらかというとそれらを活かす方向のIoTに舵を切っていくのかもしれませんね.

また,AIというとデータ解析,サーバーの運用も必要になってきますが,その分野に関してみるとARMは少し弱い気がします.一方で,Googleがサーバー用のプロセッサー調達にQualcommとの連携を考えているという話も出ていたりするため,ARMとしてはこれまでのモバイルデバイス中心の開発だけでなく,デスクトップ向け,サーバー向け用途へも力を入れていきたいのかもしれず.そこで利害が一致したのかもしれませんが,果たしてどうなのでしょうか.

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ソフトバンクによるARMの買収について
SoC設計大手のARMをネットワークインフラのSoftbankが買収するというお話.どちらもファブレスといえばそう見えなくもなく.数日前の話になりますが,今後も気になりますしちょっとだけまとめておきます.
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