台湾の地震が半導体に及ぼす影響について.タイでの大洪水が世界中のハードディスクに非常に大きな影響を与えていましたが今回はどうなるのでしょうか.
連日報道されている台湾の地震ですが,人道的な被害は勿論,世界でも有数の半導体生産国となりますからそちらの方面での被害も予想されていました.世界最大の半導体製造メーカーとなるTSMCの出荷数低下については,地震発生当初の6日の見積もりでは1%以下となるだろうと発表していました.
また、新竹や台中オフィスから援助に向けた人員を派遣するなどし、2016年第1四半期の出荷への影響は1%以下に留まるとしている。
from PCWatch
しかし,12日に情報を更新しています.
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company (TSMC) on February 6 estimated wafer shipments in the first quarter of 2016 would decrease less than 1% due to the impact of a large earthquake hitting southern Taiwan in the early morning of February 6, but on February 12 indicated that the decrease in wafer shipments will be more than 1%, because damage to Fab 14 is worse than originally assessed
from DIGITIMES
Fab 14における機器の被害が想定よりも大きく,結果的に当初予想していた1%以下という内容を更新し,1%以上の低下が予想されるとのこと.同時に2016第一四半期の連結収益についても触れており,59-60億ドルの目標に到達することは間違いなく,地震の影響はほぼないということをアピールしているようです.
それにしても半導体だけでなく,PCパーツという点からみてみると自然災害の存在は大きいように見えます.2011年のタイ洪水は一時期HDDの価格が2倍程度まで高騰する事もあったりしましたから,今回の地震もあまり甘く捉えることはできず,1%以上の低下というのがどの程度影響するのかは分かりません.TSMCが卸しているメーカーは多岐にわたっていますので,Fab 14で作られていたものによっては一部値上がりということもあるかもしれませんね.