MOBA-shooterというジャンルが登場してきそうな2016年ですが,OverwatchやBattlebornといったゲームに対してValveが動いているようなので少しチェックしてみます.
e-Sportsの現状
e-Sportsが盛り上がっているという話はもう過去の事になり,今後は日本でどう流行っていくのかというレベルにもなっているように感じます.DOTA2の大会は未だにトップクラスの賞金額ですし,CS:GOの世界大会もMOBA系のそれに引けをとらないレベルとなっています.2015年8月、『Dota 2』のトーナメントThe International 5は、クラウドファンディングをベースに賞金総額1842万9613ドル(約22億1155万円)を集めてeSports史上最高賞金額を更新。Dota Asia ChampionshipsとFrankfurt Majorの賞金額も共に300万ドル(約3億6000万円)を超えた。
from REDBULL
更に,以前PCゲームの市場規模に関するまとめを行いました.PC gamingの今後 - まだ衰えてはいない様子
現在PCゲームの市場はハードとソフトを含めて240億ドル程度のそうですが,アナリストの予想では2018年まで20億ドルずつ拡大を続け,最終的には300億ドルの市場になるだろうとのこと.拡大の理由としては今後主流となるであろう4KやVRデバイスへの移行にモニター及びハードの交換が必要となることを挙げています.賞金だけを見ると,全体的な市場規模という点ではPCゲーミングの数%に満たない段階ではありますが,そこに観戦者やチケット購入代金等を含めていくとそこそこの割合を占めることになってきそうです.
ここ数年で市場規模が飛躍的に上昇し、大きな注目を集めているe-Sports。海外のリサーチ会社Newzooが、2016年の推定市場規模を4億6300万ドルとするレポートを発表しました。
from Game*Spark
MOBAインスパイアShooterというジャンル
プレイヤーの人口を考えても,MOBAの人気は圧倒的になってきますが,FPSも少なからず人口を抱えている...ということでいいとこ取り,ないしはハイブリッドとして登場してきたのが所謂TF2ライクな,MOBA-Shooterというジャンルでしょうか.ベースが競技性の高いものですから,設計としてもe-Sports参入を前提としやすかったというところなのかなと思います.MOBAは5vs5のストラテジー,競技シーンのFPSも5~6人チームでのバトルとなりますので,上手く掛けあわせればそれだけでもゲームになるということなのでしょう.
from engadget
最初に出てきたのはMOBAをそのままTPSにしたかのうようなSMITEだと思いますが,一昨年~昨年になって大手デベロッパーがこぞってMOBA-Shooterをリリースしたように思います.Overwatch
「Overwatch」は,「オムニック」と呼ばれるロボットの反乱により大混乱に陥った近未来の世界が舞台となる作品だ。世界中の精鋭兵達を結集させた「オーバーウォッチ」という治安部隊が結成されて,ロボットの反乱も収束に向かうなか,オーバーウォッチに汚職の嫌疑をかけられたことで部隊が分裂してしまうというストーリーになっている。ゲームは,6人対6人のチーム戦が主軸となり,それぞれに異なる能力を持ったオーバーウォッチのメンバーがプレイアブルキャラクターになる。ちなみに,現時点で18人のキャラクターが発表済みだ。
from 4gamer
Battleborn
20体におよぶプレイアブルキャラクターが登場する“ヒーロー・シューター”と銘打たれた本作は,2015年5月にメディア向けに行われた制作発表会で,最大5人のプレイヤーが協力してストーリーを進めていくCo-op型のキャンペーンモードが披露されており,シューティング要素にRPGや格闘ゲームのような要素を盛り込んだハイブリッドなゲームプレイになることが知られている。
from 4gamer
Gigantic
発表によると本作は,ファンタジー世界を舞台に5人対5人の対人戦をメインとしたチームアクションゲームとなり,それぞれの陣営に“ガーディアン”と名付けられた巨大クリーチャーが用意されているというユニークなシステムが特徴となる。ちなみに,このガーディアン達はコンピュータで自動制御されているとのこと。トゥーンシェーダーにより遊び心のあるグラフィックスも魅力の1つであり,すでに多くのゲーマーの興味を惹きつつあるようだ。
from 4gamer
ValveにもMOBA風Shooterがあるじゃないの
from Muselk
よく考えるとこういったMOBA-ShooterはChampionという固有スキルをベースとして遊ぶわけで,そういう意味ではTF2も各キャラ固有武器があることになりますからこの流れに乗っていると考えられなくもない.こういったゲームの話題となると必ずTF2の名は聞こえてきますし,MOBA-Shooterというジャンルからしても草分け,先駆けであるのは間違いなさそうです.
Valveとしてはいろいろな実験台となっているTF2で,なかなか競技性というのは公式からも取り上げられていないように思います.とはいえ少人数CPやCTFであれば十分な競技性のある試合が行われており,小規模ながらプロシーンというのも見られます.
現状ではクラン戦CP鉄板構成というのが確立してしまっていますが,今後Valveがどのように競技シーンを作り出していくのかというのは気になるところです.6人カート守備側が有利な気もしますから人気のあるPLをどうするのか,チーム規模の設計,MAP作り,クラン戦に不向きなキャラ(スパイなど)をどのように調節するかなど課題は多いのではないでしょうか.
そういった意見を募るためのコミュニティというのが既に出来上がっているようで,現状の対人ゲームの多くに見られる,レートに依るマッチメイクのシステムを含めてβテストの段階としてValveも動いているようです.
from GameSpotValve has taken a step toward introducing the long-rumored competitive matchmaking mode for Team Fortress 2, which comes more than eight years after the game's release.
ValveはDOTA2もあり,CS:GOも抱えている...のでMOBA及びFPSのジャンルにおけるe-Sportsゲームには対応できていることになります.そして今回登場してきた新ジャンルであるMOBA-ShooterもTF2で対応しようということのようです.リリースから長年経ち,無料化もしたTF2ですから,Valveとしてもテコ入れとしては丁度いい時期だったということなのでしょう.
Steam Tradeもあり,スキン,マスタリーのシステムもある,ということでユーザーにペイさせる環境というのは整っていますし,本当に後はゲームに関する部分のみということになります.今後どのように競技シーンが整えられていくのか楽しみですね.そしてこれを機にもう少し日本鯖,コミュニティが広くならないものかなぁなどとも考えてしまいますが,どうなるのでしょうか.